ZXとGRスポーツをベースに「JAOS」が仕立てた個性あふれる2台のオーバーランダー
ZXとGRスポーツという、方向性の異なるグレードをベースにしながら、どちらもよりヘヴィデューティな雰囲気に仕立てた2台のランドクルーザー300。SUVパーツのリーディングカンパニーとして培ってきたノウハウを凝縮したその出立は、JAOSらしさを前面に押し出した、唯一無二のスタイルだ。
性格の異なる2つのグレードに合わせて
それぞれ専用設計のオリジナルパーツを装着
2021年にモデルチェンジしたランドクルーザー300シリーズは、大きく重くなった200系から一転、ご存知の通りエンジンのダウンサイジング化と共に、アルミ素材を外板にも積極採用したことによる軽量化など、エポックメイキングな存在としてデビューを果たした。
そのグレード体系は標準グレードのGXから上級グレードのZXまで合計5種類。パワートレーンは3.5リッターのV6ツインターボ・ガソリンエンジン(V35A-FTS)と3.3リッターのV6ツインターボ・ディーゼルエンジン(F33A-FTV)から選べるようになっている。
中でも人気を二分しているのは快適装備を充実させたラグジュアリーなZXと、走りに徹したスポーツモデルのGRスポーツ(以下GRS)だろう。
それぞれが独自の装備を奢っているため、両グレードは上下という関係ではなく、方向性の違いを顕著に表した両雄といえる。
例えば、ZXではコーナーリング時に左右後輪の駆動力を最適化し、旋回性能を高めるトルセン式LSDが標準装備されるのに対し、GRSでは不整地や雪道などでの走破性を高める電動デフロックがあらかじめ搭載されている(ZXでも選択可能)。
純正ホイールも20インチを履くZXに対して、GRSは18インチを採用するなど、グレードにおける明確な方向性の違いを装備面でも徹底しているのだ。
エクステリアの差異も顕著であり、ZXは下部まで伸びた押し出しの強いフロントバンパーを採用しているのに対し、GRSはアプローチアングルを確保するためにバンパー下部を削ったシャープなデザインに変更されている。
このように、グレード毎に明確な方向性を与えることで、300シリーズはユーザーにとっても“好みのモデルが選びやいクルマ”に仕立てられているのだ。
こうした流れにアフターパーツメーカーも追従。それぞれのグレードの性格を吟味しながら、より個性を際立たせたパーツが発表されている。
2023年1月に開催された「東京オートサロン」ではSUVパーツのリーディングカンパニーであるJAOSから、ZX、GRSのそれぞれにオリジナルパーツを搭載したデモカーが披露された。
前者のZXは昨年早々に発表されたクルマで、快適なZXグレードをベースにしながらも、JAOSらしくオフロードにもしっかりと対応。専用バンパーを備えるなど各部にカスタマイズを加えたラグジュアリー&スポーツな一台だ。
対して、今回発表されたGRSは、ランドクルーザー本来の性能を余すことなく発揮させるために独自のノウハウを凝縮させたクルマ。オフロードにおける走破性の向上を実現させた上で、より一層ヘヴィデューティな雰囲気に仕上げているのが特徴といえるだろう。
ここではGRS、ZXという魅力あふれる2台の“JAOS style”をご紹介していこう。
ラグジュアリー&スポーツを両立させる
ZX専用設計の20インチホイールを装着
ランドクルーザー300の発表・発売後、いち早くリリースされたのがZXをベースにした“JAOS style”だ。
人気モデルのZXをベースにしながらも、本格的なオフロード走行を視野に入れたカスタマイズを加えているのが特徴で、洗練された大人のためのスタイルに仕立てられている。
車両はJAOSオリジナルのバンパーガードやフェンダーガーニッシュを装着した上で、グリルまわりやボディ下端などをブラックアウト。ZXグレードらしい上質な雰囲気を残しながらも、オフロード走行時に下まわりをヒットさせにくい形状に仕上げているのがポイント。
つまり“ラグジュアリーで快適な装備と共に、しっかりとオフロードイメージも強調したい”という要望を実現させたものだ。
ホイールは新型ランドクルーザー専用設計の「JAOS TRIBE CROSS」(ZX純正装着ホイールと同じ20インチ)を装着。サスペンションはリフトアップコイルを用いて40〜50mmほど車高をアップしているが、こちらもあくまでも乗り降りの際に負担を感じない適度なサイズアップにとどめており、オンロードでもオフロードでもランドクルーザーらしい走りを堪能できるものとなっている。
もうひとつ、外観上のポイントとなっているのが、同社のGRS(デモカー)にも装備されているJAOSオリジナルのルーフラック「フラットラック」だ。
旅やアウトドアライフを楽しむユーザーには必須ともいえるルーフラックは、使い終わったギア類をコンテナなどに収納して積載することで、カーゴスペースを広々と使えるようにするという機能的なアイテム。
JAOSオリジナルのフラットラックは、高品質な純国産製であることに加え、さまざまなアタッチメントを組み合わせることでアウトドアシーンでの利便性を高めてくれる逸品でもある。
ZXをベースにしたこの車両は、アウトドアはもちろん、街中でも映える、走るフィールドを選ばないJAOSならではのノウハウが凝縮された一台といえるだろう。
GRスポーツには専用設計の
18インチホイール「JAOS TRIBE」を装着
GRSをチョイスするユーザーは、はっきりとしたスポーツ志向を基に、よりヘヴィデューティなSUVとしてランドクルーザー300シリーズを選んだはずだ。
だからこそ、カスタマイズにあたってもオフロードにおける走破性やフィールドにおける圧倒的な存在感など、オフロードのイメージを前面に打ち出したスタイルが好まれる。
JAOSが製作したGRSは、定番のスキッドバーやサイドステップを装着することで、ラギッドなスタイルを実現。さらにルーフ上にもJAOSオリジナルのフラットラックを装着したことで、オーバーランダーらしさも演出するなど、得意とするオフロードスタイルに仕上げた一台である。前述したように、GRSにはアプローチアングルを確保する専用バンパーが装着されており、フロントまわりはZXよりもシャープなデザインとなっている。
今回装着されているスキッドバーは、本来の性能を損ねることがないように取り付け位置を調整。サイドステップと共に、オフロードにおける走行性能を保持しながらも、予期せぬダメージを軽減させるなど機能性にも富んだ装備だ。
また、300シリーズ用に専用設計された「JAOS TRIBE」は、純正装着サイズと同じ18インチを採用。タイヤサイズのラインナップが豊富なサイズだから、使用目的に合わせて好みのタイヤと組み合わせることができるのも魅力のひとつになっている(このホイールはランドクルーザー300だけでなくレクサス・LX600にも装着可能)。
それにしても、驚くべきことはこうしたパーツ類の多くが“グレード別”の専用設計である点だ。
前述したZXとGRSではディテールの形状も細かく異なるため、両グレードで共用できるパーツは少なく、商品化にあたってはグレード別に設計する必要があるという。
JAOS製パーツがスマートなフィッティングを実現しているのは、豊富な経験を基に、車種はもちろん、グレードにまで考慮して企画された、きめ細やかな設計思想にもあるのだろう。
ABOUT JAOS|ジャオスとは
群馬県榛東村に拠点を置く、SUVパーツのリーディングカンパニー。1985年に東京で創業し、空前の4WDブームとともに数多くのヒット商品を創出した。
CONTACT|JAOS
WEB|https://www.jaos.co.jp
PHOTO|KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT|KAZUTOSHI AKIMOTO
PUBLISHED|2023
SOURCE|LAND CRUISER CHRONICLE Vol.02
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