2017 TOYOTA TACOMA PRE-RUNNER STYLE |BAJA生まれのカスタムスタイル“プリランナー”

BAJA 1000における「PRE-RUN(プリラン)」は、レース本番の成功を支える重要な要素だ。プリランによって得られる情報は、ドライバーの安全や戦略的な走行に直結する。“プリランナー”とは、こうした下見車両をイメージして製作された車両で、ピックアップトラックのモディファイ手法のひとつとして、アメリカ西海岸を中心に人気のあるカスタムスタイルだ。

▲トヨタ・タコマをベースにした“プリランナー”スタイルの車両は、あくまでもストリート仕様。現オーナーが日常移動の“足”として製作されたものだ。

BAJA 1000では、コースレイアウトが発表された後、トップチームを中心に“プリラン”と呼ばれる下見を行うことが多い。BAJAのコースには砂漠、山岳地帯、渡河ポイントなど多種多様な地形が含まれており、エントラントはこれらのエリアを事前に確認することで、コースの状況を確認して綿密な戦略を練ることができるからだ。

この“プリラン” ではチームの関係者がレース本番のコースを実際に走行しながら確認作業を行う。むろん競技スピードで走ることはないが、なにせ1000マイルもの長距離に加え、競技車両でもクリアするのが難しいセクションも多いことから、それなりに改造を加えた車両で走ることが多い。

こうした“プリラン”が語源となったのが、ピックアップトラックをベースにした“プリランナー” だ。

▲“プリランナー”ではリアゲートを取り外してネットなどで代用することが多いが、写真のクルマは日常生活での利便性を優先して、ゲートを残している。

近年はカスタムスタイルの一種として、アメリカ西海岸を中心に人気を博しており、日本国内でもそのスタイルをイメージした車両が製作されている。

写真のクルマは2017年式のトヨタ・タコマをベースにした“プリランナー” で、外装や足まわりなどを中心にアメリカ製のパーツを使用して仕上げている。

製作したのは「ブルーレーベル・オートエンジニアリング」で、外装はマニクールレーシング製の6インチ・ワイドフェンダーに変更、足まわりにはキングショック製のサスペンションパーツを使用するなど、あくまでもストリート仕様として完成させている。

驚くのはリフトアップスタイルに見えるものの、じつは車高そのものは(タイヤ変更による車両アップを除き)ほぼノーマルと変わらないということだ。

▲ホイールはビードロック風のリングを採用したSCS製、タイヤはマキシス・スタイル764(35×12.5R17)を組み合わせている。

ワイドフェンダーはノーマル比で2インチほどフェンダーが切り上がっているため、視覚効果を伴い車高が高くなっているように見えるそうだ。

ちなみにベース車両はSR5の4WDモデル。かつては“プリランナー”といえば、2WDをベースにフロント側のサスペンションストロークを大きく稼ぐと共に、駆動輪(後輪)へ荷重をかけた、独特な“前上がり”のスタイルが主流だったが、近年はトロフィートラックもリダクションギアを使った4WD化が進んでおり、“前上がり” 姿勢のスタイルは減りつつある。こうした背景もあり、最近の“プリランナー”は水平スタンスで製作されることが多いという。

もうひとつ、驚くべきことがある。じつはこの車両はドリフトを趣味にする女性オーナーの愛車で、日常生活の移動やキャンプなど、足代わりに使用しているというのだ。

しかも、今後はサイドバイサイドと呼ばれるUTVをトレーラーに載せてオフロードレースを楽しむ予定があるそうで、牽引用にも愛車を使用する予定だという。つまり、アメリカンスタイルのライフスタイルを楽しむオーナーの、大切な愛車でもあるのだ。

▲フロントはダートキング製ロングトラベルキットやキングショック製のショックアブソーバなどでカスタムされている。

▲ベッド内にはスペアタイヤをマウント。キャンプなどでも使用するため、いつでも取り外せるようにベルト固定としている。

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