ポルシェ・550をオマージュした「スペシャル・ロードスター」|North Hollywood,California
- 2018/5/19
- CAR
- ポルシェ, PORSCHE, 911, EMORY MOTORSPORTS
1962 PORSCHE 356 EMORY SPECIAL ROADSTER
ポルシェがル・マン24時間レースへ初参戦したのは1951年のこと。この時参戦した車両は排気量わずか1,086ccの356 SL Gmudクーペだった。市販車同様のボディにフェンダー・スパッツを装着しただけというこのクルマは、初参戦で総合20位を獲得、同時にクラス優勝も成し遂げた、ポルシェ・ワークスの歴史的な第一歩を飾った1台である。
「エモリー・モータースポーツ」のファクトリーには、この356 SL Gmudクーペの写真が大きく掲げられている。じつは、現在ポルシェ・ミュージアムに飾られている356 SL Gmudクーペの復元作業には「エモリー・モータースポーツ」が深くかかわっているのだ。
ル・マン参戦車両への熱い思いを抱く、同社の代表であるロッド・エモリー氏が、1954年にデビューしたレーシングモデル、ポルシェ・550をオマージュして製作されたのが、ご覧の1962年式「スペシャル・ロードスター」である。
この個体は前後のバンパーを廃したバンパーレス・ボディにロールドされたロッカーパネル、車高に合わせて拡大されたホイールアーチにスピードスター用のウィンド・シールドなど、550をイメージしたスタイリングとなっているのが特徴だ。
パワートレーンは914用の空冷4気筒エンジンをベースに2.4リッターまで拡大し、吸気系はフュエル・インジェクション化して最高出力185馬力を実現。これに911(901)用の5速M/Tを組み合わせている。
ブレーキはケイマン用のブレンボ製ディスク。ホイールは964用16インチ・ホイールをワイド加工して装着するなど、各所にレイトモデルの純正パーツを採用しているのもユニークなポイントだ。
「エモリー・モータースポーツ」が製作した初の「スペシャル・コンバーチブル」となるこの1台は、前述した通り550を筆頭にポルシェが生み出した数々のレースカーにインスパイアされたもの。インテリアも極力無駄なものを廃したミニマリズムを徹底し、シンプルにまとめられている。
【INFORMATION】
SHOP|EMORY MOTORSPORTS
WEB|https://www.emorymotorsports.com
CAR|1962 PORSCHE 356 EMORY SPECIAL ROADSTER
PHOTO|DREW PHILLIPS
TEXT|KAZUTOSHI AKIMOTO
PUBLISHED|2017
SOURCE|Porsche Life Style Book