ホイールのセンターキャップ以外はすべてカスタムされたワイドボディのマスタング

SEMA 2023 RINGBROTHERS|セマショー2023 リングブラザース

1964年に発表されたフォード・マスタングはあらゆる意味でエポックメイキングな1台だった。比較的安価な価格設定と若者をターゲットにした2ドアクーペの「ポーニーカー」という新しいジャンルを開拓したマスタングは、当初の販売計画10万台に対し、実際には40万台ものセールスを記録するほどの大人気モデルとなった。以来、7世代にわたるマスタングの歴史は、まさにアメリカ車の歴史そのものといっても過言ではないだろう。

SEMA 2023 RINGBROTHERS|セマショー2023 リングブラザース

▲片側1インチずつワイドに仕上げたカスタム・ボディを組み合わせた、リングブラザースのマスタング。

Uncaged=檻からの開放というショーネーム

ウィスコンシン州を拠点にするリングブラザーズ(RINGBROTHERS)が、2023年のセマショーで初披露した3台の内、1台はそんなごく初期モデルのマスタングがベースとなっている。

もっとも、UNCAGED=檻からの開放というショーネームを与えられたこのクルマは、1965年型フォード・マスタング・コンバーチブルをベースにはしているが、その仕上がりは我々の知るポニーカーからは想像ができないほど過激な内容になっている。

(注:2022年のセマショーでリングブラザースはCAGEDというショーネームの1964-1/2のマスタングを発表しており、本作は連作ともいえる)

車両はロードスターショップ(Roadster Shop)による1964-1970マスタング・ファストトラックシャシーの上に、片側を約1インチずつ広げたハンドメイドのワイドボディを組み合わせており、じつに4200時間もの時間を費やして完成されたという。

SEMA 2023 RINGBROTHERS|セマショー2023 リングブラザース

▲インテリアはショーン・スミスがデザイン。アップホルスタリー・アンリミテッド製のレザートリムを組み合わせている。

SEMA 2023 RINGBROTHERS|セマショー2023 リングブラザース

▲メーターはダコタデジタル製で、ステアリングホイールはオリジナルのマスタングのインテリアを上手に活かしたリングブラザース製のカスタムモデル。

ホイールキャップ以外すべてカスタマイズ済み

デザインはフォード・モーターカンパニーなどで活躍した自動車デザイナーのゲイリー・ラグル(GARY RAGLE)が担当。

ちなみにホイールのセンターキャップ以外はすべてリングブラザースがカスタマイズしたもので、テールライトやエンブレムなどは、一見するとマスタング純正品のようにみえるが、こうしたディテールもすべて一新されたプロポーションに合わせてデザインされたものだ。

足回りは前後にペンスキー製コイルオーバーを採用。フロントに合わせてリアサスペンションもIRS化されていおり、足元にはマスタング純正ラリー・ホイールをモチーフにしたEVOD インダストリー製18インチを装着する。

エンジンは現行モデルのマスタング用コヨーテ5.0L V8を採用。最大出力は460馬力に設定されており、これに10速ATを組み合わせることで、グラマラスなボディシルエットに引けを取らないパフォーマンスを発揮するという。

SEMA 2023 RINGBROTHERS|セマショー2023 リングブラザース

▲ホイールはマスタング純正をモチーフにしたEVOD インダストリーズ製の18インチ。

SPECIFICATIONS
BOOTH RINGBROTHERS
MODEL 1965 FORD MUSTANG CONVERTIBL “UNCAGED”
CHASSIS ROADSTER SHOP 1964-1970 MUSTANG FAST TRACK
ENGINE FORD PERFOMANCE 5.0L COYOTE V8 CRATE ENGINE
DESIGN GARY RAGLE DESIGNS
PRODUCTION RINGBROTHERS

【出展車両などの詳細は以下のセマショー2023リンク集を参照ください】
https://calog.net/archives/tag/2023-sema-show

ABOUT SEMA SHOW|「セマショー」とは
「セマショー」は米国自動車用品工業会(Specialty Equipment Market Association=SEMA)が主催する世界最大級のアフターパーツトレードショー。毎年11月の第一週にラスベガスコンベンションセンター(LVCC)で開催されている。会場は屋内床面積だけでも約5.5万坪。幕張メッセ(約2.2万坪)の倍以上もある巨大なイベントである。

※本記事は出版物(本誌)よりも先に、Cal Online(https://calog.net)にてオンライン版の記事を先行公開した「デジタルファーストアーティクル」にて制作されたものです。

CONTACT|SEMA
WEB|https://www.semashow.com/
PHOTO|KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT|KAZUTOSHI AKIMOTO
PUBLISHED|2023
SOURCE|Cal Vol.55

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