完走率50%以下、昼夜を問わず荒地をぶっ飛ばす世界最高峰のデザートレースBAJA1000にJAOS が参戦!
SCORE(スコアー)インターナショナルが主催する「BAJA1000(バハ1000)」にSUVパーツサプライヤーであるJAOS(ジャオス)が参戦を表明した。
「バハ1000」はメキシコのバハ・カリフォルニア半島を舞台に毎年11月に開催される伝統と格式のあるオフロードイベント。55回目を迎える今年は11月18日に半島の北にあるエンセナダをスタートし、大半が砂漠で占められた約1000マイル(1609km)のコースを一気に走り抜け、その到着タイムを競い合う。
つまり、一度走り出したらゴールまで補給をしながら不眠不休で走るという世界最長のノンストップレースである。マシンだけでなくドライバーの体力・技量も要求される過酷なデザートレースなのだ。
こうした厳しい条件下で競い合うため、競技では1台の車両を複数のドライバーが交代しながら走ることも認められている。事実、昨年総合優勝したロブ・マッカクレン/ルーク・マクミリン組はシボレー・シルバラードを交互にドライブしながら20時間45分58秒でゴールを果たした(同チームの平均速度は時速 59.05マイル:約95km/hというから、レース中はリエゾンのないSSを1日中ぶっ飛ばしているようなものだったのだろう)。
一方で、今回参戦するTEAM JAOS(チーム・ジャオス)はドライバーにJAOSの社員でもある能戸知徳選手を起用し、ドライバー1名体制で1000マイル先のゴールを目指す。
マシンは新型のレクサスLX600をベースに規定の範囲で改造を加えた車両を製作しており、2WD/4WDのピックアップトラックおよびSUV が参加できる市販車無改造クラスへのエントリーを予定している。
競技車両のLX600は現在スポンサーラッピングのないホワイトボディでテストが繰り広げられており、製作の最終段階を迎えているが、電子デバイスの交換が許されないなど、厳しいレギュレーション下でのマシン開発の難しさも伺える。
「バハ1000」は市販車向けのパーツ開発で培ってきたJAOSの技術力が、まさに異国の地で試される機会にもなりそうだ。
なお、この「バハ1000」における日本人初優勝は、国内外のラリーで活躍する塙郁夫選手が11年間の長き挑戦を経て2002年に達成している。同選手は2015年にTEAMJAOSからアジアクロスカントリーラリーへ参戦。FJ クルーザーを駆り、TEAMを総合8 位(クラス2 位)に導いた。
TEAM JAOSを率いる赤星監督は今回の「バハ1000」参戦を3ヶ年計画として捉えている。計画が実を結び、TEAM JAOSが新たな歴史を刻むことになれば、旧知のベテランドライバーが築いてきた栄光の歴史を塗り替えることになるだろう。
DRIVER|Tomonori Noto
ドライバーの能戸選手はJAOSの開発部に在籍する社員ドライバー。アジアクロスカントリーラリーでは2019 年に念願のT1Gクラス優勝を果たしている。昨年からはバハ1000参戦も見据えて、米国で開催されているオフロードレースにも参戦していた。
CONTACT|JAOS
WEB|https://www.jaos.co.jp
PHOTO|JAOS
TEXT|KAZUTOSHI AKIMOTO
PUBLISHED|2022
SOURCE|Cal Vol.48
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