雨が多いことでも知られるカウアイ島は、ホノルルのあるオアフ島から北西方向に150kmの場所に位置する。飛行機でもわずか30分の距離だが、その景観はオアフ島とはまったく異なる。町や都市はごくわずかで、島の大部分が熱帯雨林に覆われた原生林なのだ。そんな自然溢れる環境を望んで、メインランドから移住したのが オーブリーとスティーブの二人だ。
カウアイ島は、オアフ島の西隣に位置し、ハワイ諸島の中で4番目に大きい島である。一年を通して雨がよく降り、動植物の分布も独特だ。ハワイでもこの島にしか生息しない花や鳥もいる。まさに神秘的な島なのだ。
ヒースはコロラド州立大学を卒業後、自然あふれるこのカウアイ島にやってきた。3年ほど前から現在の敷地にある3ベッドルームの家に住みながら、壁や床の張替えといったリフォームを自身の手で行なっている。
家のリフォームを自分たちでやるというのは、ハワイだけでなくアメリカではごく一般的。彼も時間をかけながら少しずつ作業をしている。このため、最近まで自宅の脇にある物置が仮の住まいだった。
平日は土木技師としてカウアイ島のオフィスで働いている彼は、時間の流れがゆっくりで、自然溢れるこの島が大好きだという。
「波がよければ仕事の前にサーフィンを楽しむことも多いよ。仕事が終わったら釣りも楽しめる」と、この環境におおいに満足している。
仕事で数多くの国を旅する彼は、日本へも頻繁に訪れている。他にもフィリピンや台湾、中国などのアジアの国々には出張することが多いという。それだけに出張先の国で見たり学んだりした文化に影響を与えられているそうだ。
リビングに飾ってある絵はベトナムで、ベッドルームにかけてあるハンモックはグアテマラで購入したもの。いずれも、旅の思い出とともに部屋のアクセントとして飾られている。
趣味は木工アート。手彫りの作品はアカシアを使ったものが多く、完成した作品はリビングにも飾られている。キッチンのカウンタートップにも、じつは大好きなアカシアの一枚板を使用。アカシアはウォルナットやオークなどと並ぶ高級木材のひとつ。曲げや腐りに強い上、ハワイでは深刻なシロアリに対する耐性も強い。ハワイ固有の高級木材として知られるコアウッドも、植物学上はアカシア属であり、特徴もよく似ている。
ヒースは趣味を通じてこうした木材の知識も学びながら、リフォーム作業を楽しみ、やっと室内が終わったところ。「次は庭と外構だ」と意気込む。
PHOTO｜KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT｜SHINOGU SATO
PUBLISHED｜2020
SOURCE｜Cal vol.32
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