1967 VW TYPE1 “BAJA BUG” GULF LIVERY|世界でもっとも有名な“バハバグ

BAJA1000の影響力は北米だけにとどまらない。“世界一過酷”と称される、このオフロードレースにインスパイアされたドイツ在住のヨハネス・クルーグも、そのひとりだ。自動車エンジニアとして活躍する彼の愛車、1967年型のフォルクスワーゲン・タイプ1は、エッセン・モーターショーやセマショーにも出展されるなど、非常に完成度の高い“BAJA STYLE”である。

2013年にドイツの厳しい車検制度をクリアし、公道走行可能な
車両として登録されたヨハネス・クルーグの愛車。このクルマは「BAJA1000」にインスパイアされたものであり、車体には「ガルフ・リバリー」と呼ばれる象徴的なデザインが施されている。

▲2013年にドイツの厳しい車検制度をクリアし、公道走行可能な車両として登録されたヨハネス・クルーグの愛車。このクルマは「BAJA1000」にインスパイアされたものであり、車体には「ガルフ・リバリー」と呼ばれる象徴的なデザインが施されている。

Gulf livery(ガルフ・リバリー)は、モータースポーツの世界では非常に有名なカラーデザインのひとつだ。石油会社である「GulfOi(l ガルフ石油)」がスポンサードする車両に施されたこのアイコニックな配色は、スカイブルーとオレンジを基調としており、1960年代から1970年代にかけて世界を席巻した。特に1968年および1969年のル・マン24時間レースで優勝したフォードGT40や、スティーブ・マックイーンが演じた映画『栄光のル・マン』に登場する劇中車のポルシェ917は、数多くのガルフファンを生み出したことで知られている。

ドイツ在住の自動車エンジニア、ヨハネス・クルーグも、そんなガルフ・リバリーを愛するファンのひとりだ。

もっとも、彼が心を動かされたのはカラーリングだけではなかった。地球の反対側で開催される「BAJA1000(バハ1000)」もまた、ヨハネス・クルーグの心を魅了し、1967年型のフォルクスワーゲン・タイプ1を基にした“バハ・バグ”の完成へと誘ったという。

エンジンは1.6ℓの空冷水平対向4気筒エンジンをベースに、プログラム可能な点火システムとスーパーチャージャーを搭載。過給圧にもよるが、最大で100馬力を発揮する。

▲エンジンは1.6ℓの空冷水平対向4気筒エンジンをベースに、プログラム可能な点火システムとスーパーチャージャーを搭載。過給圧にもよるが、最大で100馬力を発揮する。

約20年前から彼とその父親によってコツコツとガレージで作り上げられてきたこのクルマは、複数回の事故によりスクラップ寸前だったという個体で、当初はヨハネスの妹が乗るタイプ1用の部品取りとして手に入れたものだった。

その後、当初の“部品取り”という目的は果たさず、クルマはヨハネスの手で丁寧にレストアされることになり、最終的には彼の設計したコンプレッサーキット(スーパーチャージャー)のデモカーとして完成された。

シャシーはキューベルワーゲンやシングに使用されたタイプ181で、これにタイプ1のボディを組み合わせている。

フロントアクスルやリアサスペンション、ブレーキ撫で「徹底的に手を入れ、さらにラック&ピニオンステアリング、減衰力調整式のショックアブソーバーも装備。足元にはスチール製ホイールにオフロードタイヤを装着。前輪は195/80R15、後輪は31×10.5R15というサイズで仕上げられている。

ヨハネスがこのクルマを製作した目的は、カーショーでアワードを取ることではない。あくまでも、自分が好きなクルマを作っただけだという。車両の最新情報は彼のInstagram(@baja.jo)やウェブサイト(www.boostedlegends.de)でも確認できる。

▲ヨハネスがこのクルマを製作した目的は、カーショーでアワードを取ることではない。あくまでも、自分が好きなクルマを作っただけだという。車両の最新情報は彼のInstagram(@baja.jo)やウェブサイト(www.boostedlegends.de)でも確認できる。

完成後は2019年にドイツで開催された「ホットウィール・レジェンズツアー」にエントリーし、見事に優勝。アメリカ・ラスベガスで開催されたセマショーやドイツのエッセンモーターショーにも展示されるなど、数多くのカーショーで注目を浴びてきた。

さらに、こうした活躍からアメリカの映画監督マイケル・スクワイアの目にもとまり、ドキュメンタリー映画『The Baja Bug Movie』に登場したこともある。まさに、このクルマは世界的でもっとも有名なバハバグなのだ。

車両の整備と改造はすべてヨハネス自身が行って
おり、これまで一度もプロの整備工場に持ち込まれたことがない。そのため、故障しても自分で修理できるという自信が、長

▲車両の整備と改造はすべてヨハネス自身が行っており、これまで一度もプロの整備工場に持ち込まれたことがない。そのため、故障しても自分で修理できるという自信が、長距離ドライブへの安心感につながっているそうだ。

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