世界最高峰のデザートレースBAJA 1000でTEAM JAOSが初完走・クラス優勝を飾る
群馬県に拠点を置くJAOSが2024年11月12日からメキシコのバハ・カリフォルニア半島で開催された「SCORE World Desert Championship 57th SCORE BAJA 1000(バハ1000。以下、BAJA 1000)」に、LEXUS LX600 “OFFROAD” TEAM JAOS 2024 ver.で参戦。見事に初完走・クラス優勝を飾った。
2019年にAsia Cross Country Rallyでクラス優勝を遂げたTEAM JAOSは、その後、参戦の舞台をこのBAJA 1000へと変え、2022年から「Stock Full Size」と呼ばれる市販車クラスにエントリーしている。
このプロジェクトは社内で「BAJA チャレンジ 3ヶ年計画」と称され、1年目は「参戦」、2年目に「完走」、3年目に「クラス優勝」という目標を掲げてチャレンジを続けてきた。
初年度はマシントラブルからわずか数百キロでリタイヤ。昨年は全行程を走破しながらも、制限時間をわずかに超えてしまったことから公式記録上は DNF(未完走)という結果に。今回はこうした経験を踏まえて万全の態勢で挑んだ。
57回目を迎えたBAJA 1000は、エンセナダをスタートして半島西側を南下、折り返して半島東側を北上して再びエンセナダに戻るという869.13マイル(約1398.7キロ)のループコースで競われた。
勝敗は別にして、36時間と設定された制限時間内にゴールに辿り着ければ「FINISHER(完走者)」として記録される。
レースは11月15日(金)の正午にスタート。観客が見守るセレモニースタイルのスタート台を出発し、山中に設けられたタイム記録用のスタートラインから正式なタイム計測を開始。TEAM JAOSは序盤から順調にコースを辿り、4回のピット作業を経ながらゴールへと向かった。
レース終盤では突然の降雨と、雨雲から時折注ぐ強烈な日差しが繰り返される天候となり、ドライビングにも気を遣う展開となったが、ドライバーの能戸知徳選手は丁寧にマシンをコントロールしながら走り切り、ついに28時間47分26秒というタイムでフィニッシュラインを通過。
見事に初完走を遂げ、同時に「Stock Full Size」クラス優勝という栄冠を手にすることができた。
能戸選手によれば「今年のコースはかなりテクニカルな設定で、難度の高いセクションをわざわざ遠回りして通過させるような部分が多かった。スタックした車両がコースを塞いでしまっている箇所もあり、昨年と比べて距離は短くなったものの、難しいレースでした」と振り返る。
ロングディスタンスのコースを不眠不休で走るBAJA 1000は、複数のドライバーが交代しながら走り続けるのが一般的だが、TEAMJAOSのドライバーを務めた能戸選手は、本人の“強い意志”により無交代の「アイアンマン」スタイルで走り切ったことにも触れておきたい。
市販車にこだわったチームと、たったひとりで走り抜くことにこだわったドライバー。TEAM JAOSのBAJA 1000参戦は、ただ勝つことだけを目的にしたものではなく、自らの信念を貫きながら挑戦した結果ともいえる。
余談だが、今回参戦したLEXUS LX600“OFFROAD” TEAM JAOS 2024 ver.は、TOYO TIRES製タイヤやJAOS製ホイール、同ガードパーツ類など、その多くに市販されているものをそのまま使用している。
改造の範囲が限定される「Stock Full Size」クラスは、そもそもパワートレーンなども市販モデルのままとなっている部分が多い。
TEAM JAOSが掴んだ今回の結果は、車両本体や装着パーツに対する高い信頼性・耐久性・機能性をあらためて証明したものともいえるだろう。機能を極めた“本物”でなければ、BAJA 1000を走り切ることなど、けっしてできないのだから。
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WEB|GTG×TEAMJAOS BAJA1000 3rd CHALLENGE
PHOTO|KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT|KAZUTOSHI AKIMOTO
PUBLISHED|2025
SOURCE|Cal Vol.62
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