ガレージハウスのスペシャリストが愛する“GT-R”|VINTAGE LIFE
- 2023/12/7
- CAR
- VINTAGE LIFE, ヴィンテージライフ, NISSAN SKYLINE GT-R, スカイラインGT-R, 箱スカ
クルマ好きなら誰もが憧れる一台がある。スカイラインGT-R。1968年に生まれた通称“箱スカ”をベースとした“GT-R”は、数々のレースで打ち立てきた戦歴と共に、当時の若者たちに強烈な印象を残した。生産から半世紀以上の歳月を経た今も、このクルマに対し羨望の眼差しを向ける人は決して少なくないだろう。そんな至宝の一台を愛車にするのは、ガレージハウスのスペシャリストである岩橋和雄さんだ。
日本の自動車史の中で、燦然と輝く名車として知られる日産スカイラインGT-R。中でも1968年(昭43年)にデビューした第3世代のスカイライン、通称“箱スカ”に設定されたGT-Rは、わずか2000台余りしか生産されなかったこともあり、その希少価値からも、まさに“日本の宝”と呼んでもいいクルマだ。
愛知県半田市を拠点に、住宅建築を手掛ける建築会社「岩橋建築」の代表を務める岩橋さんの愛車は、そのスカイラインGT-Rである。
ご存知の方も多いと思うが、“箱スカ”にGT-Rが設定されたのは1968年(昭和43年)。当初は4ドアモデルの車体に直列6気筒DOHCのS20型エンジンを搭載したGT-R(PGC10型)として設定された。
岩橋さんの愛車は1970年から登場する2ドアモデル(KPGC10型)で、車体番号から2ドアモデルとして8番目に生産された個体だという。
「ごく初期に生産されたクルマなので、所々に4ドア(PGC10型)の部品が混じっているんですよ。マニアの方が見ると、あそこが違うとか、ここが違うとか、そんな話になることが多いクルマです」と、岩橋さんは語る。
最初の“箱スカ”は“GT-R”仕様
二台目でたどり着いた本物の“GT-R”
20年ほど前に同じ1970年式の“箱スカ”を購入した岩橋さんは、2ドアモデルの“GT”をベースにL型エンジンを3.1リッターまで拡大するなどチューニングを加えて乗り回していた。
内外装は“GT-R” 仕様としていたことから、「クルマを止める度に“ 本物ですか?”って聞かれるのが面倒で、だったらもう本物の“GT-R” を買っちゃおうと思って(笑)」。
こうして、7年前に手に入れたのが写真のクルマだ。
購入後はブレーキをAPロッキード製の4ポッドに変更、ローターはNSX用を加工して組み込んでいる。合わせてハブ回りを加工して“深リム” のRSワタナベを履くなど、足回りを中心にカスタマイズ。エンジンは電動ファンを追加するなど冷却系を一新。チタン製のタコ足とマフラーに交換することで、S20型エンジンの気持ちのいい排気音も楽しんでいる。
「今もパーキングに止める度に“本物ですか?”って、聞かれるんですが、最近は“偽物です”って答えています」と、微笑む岩橋さん。
じつは本業の建築業ではガレージ付きの物件を得意とするスペシャリスト。自身の愛車も八角形という特殊な形状・構造をしたガレージに格納しており、垂木が中央に向かって綺麗に配置されるなど、見どころの多い建造物になっている。
建築を依頼される顧客の多くもクルマ好きが多いことから、愛車の “GT-R”はこうしたガレージ作りの打ち合わせにおいても格好の“話の種”として活躍。夢のようなクルマを前にすると、誰もが憧れのガレージライフに思いを膨らませてくれるそうだ。
OWNER_KAZUO IWAHASHI
愛知県半田市で建築会社「岩橋建築」を営む。自身が大のクルマ好きであることから、ガレージのある家を得意としており、数々のガレージハウスを建築してきた。愛車であるGT-Rは八角柱の形状をした、他に見ることがないユニークな形状のガレージに格納されている。
CONTACT|岩橋建築
WEB|https://www.iwahashi-home.co.jp
PHOTO|KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT|KAZUTOSHI AKIMOTO
PUBLISHED|2023
SOURCE|Cal Vol.52
Copyright © CLASSIX
本WEBサイトにて掲載されている写真及びテキストの無断転載を禁じます。