セマショー 2024(SEMA SHOW 2024)|ふたりの大学生が製作した1800馬力のプロツーリング
- 2024/11/8
- CAR
- セマショー2024, SEMA SHOW 2024
近年、アメリカのヴィンテージカーの世界で話題となることの多いレストモッド(Restomod)は、レストアとモディファイを組み合わせた造語。近代的なパーツでヴィンテージカーの性能を引き上げた車両を指すことが多い。一方のプロツーリング(Pro Touring)はレストモッドのカスタムをよりレーシングスタンスでアップグレードされたものと解釈されている。
写真はそのプロツーリングとして製作された1973年式のファイヤーバード・トランザムである。
ベースモデルとなっているファイヤーバード・トランザムは、シボレー・カマロの兄弟車で、共にゼネラルモーターズ(GM)が開発した後輪駆動(FR)のコンパクトカー用プラットフォームを使用していることから共に「Fボディ」と呼ばれている。
両者は基本的なコンポーネンツは同一で、細部の意匠やパワートレインによりそれぞれ個性を際立たせていた。
このファイヤーバードには「ファイヤーバード・エスプリ」「ファイヤーバード・フォーミュラ」などいくつかのグレードがあり、「トランザム(Trans Am)」はその中でももっともハイパフォーマンスなモデルにあたる。
1973年モデルでは、「スーパーデューティ455(SD455)」と呼ばれる排気量455キュービックインチ(約7.5リッター)のビッグブロックV8エンジンが搭載されていた。
“THE HAMMERHEAD”は、大学生のラッセルとキャヴァンという二人のオーナーが1973年ファイヤーバード・トランザムをベースに製作した車両だ。
ふたりは機械工学の知識を深めるためにこのクルマを製作。ワンオフのチューブラーフレームをベースにeBayで手に入れたベース車両のボディを架装した。
パワーユニットはLate Model Engines (LME)によって組み上げられたツインターボ仕様のLSエンジンで、本来の位置から28インチ後方に変更したフロントミッドシップに搭載。その最大出力はなんと1800HPというから凄まじい。
足まわりも必見! なんとインディカーのサスペンションをまるごと移植。アッパー&ロアコントロールアーム、ステアリング、アンチロールバー、アップライトなどはすべて2000年代初頭のレイナード・チャンプカー(インディカー)の部品を流用しているのだ。
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PHOTO|Kazutoshi AKimoto 秋元一利
TEXT|Kazutoshi AKimoto 秋元一利