最新のテクノロジーで蘇るアーリー・ブロンコ|ICON BR

フォード・ブロンコ(Ford Bronco)は1966年〜1996年まで北米で販売されていた2ドア・四輪駆動のオフロード・ヴィークルである。フォードはこのブロンコの復活を長年模索してきたが、2021年7月、遂に新型モデルが発表された。第5世代の生産終了から四半世紀を経て発表された新型ブロンコは、初代モデルへと回帰するかのようにクロスカントリー性能を重視したモデルとして蘇った。開発におけるテーマは「原点回帰」。それは“アーリー・ブロンコ”の愛称と共に、今でも世界中に数多くのファンを抱えている初代ブロンコへのオマージュであった。ここで紹介するICON BRは、そんな新型とはまったく異なる魅力を備えた、もうひとつの新車で買えるブロンコだ。

ICON BRはオールドスクールおよびニュースクールという2種類のスタイリングに加え、ボディ形状はフルハードトップ、ソフトトップ、ハーフハードトップ、ロードスターの4種から選べる。

ICON(アイコン)が製作するブロンコは、“アーリー・ブロンコ”と呼ばれる第一世代ブロンコのボディをベースにしたスペシャル・ヴィークルである。どんなに新型が回顧主義的な発想で設計したとしても、やはり当時のオリジナルには戻れない。その点ICON BRは、フォードモーターカンパニーがライセンス生産を認めた初期モデルのスチールボディを使うことで、“アーリー・ブロンコ”そのものの外観を現代に蘇らせたものとなっている。

もちろん内外装からシャシーに至るまで、メカニズムも含めてモダンにアップデートされており、結果的にパフォーマンスもプライスレンジも桁外れ。あくまでもごくごく一部のカーマニア、さらに十分な予算を持つ富裕層へ向けて製作される夢のような1台となっている。

写真はオールドスクール。モダンな外装のニュースクール(上段写真)と異なり、クラシックなルックスが特徴

エクステリアはオールドスクールと呼ばれるクラシックイメージに仕上げたモデルと、ニュースクールと呼ばれるモダンなスタイルの2種類をラインナップ。同じ手法で製作される車両でありながらも、全く異なるイメージとなるが、どちらを選んでもその品質は、価格に見合うものとなるだろう。

ちなみにシャシーは他のICON製モデルと同様にホットロッド・マーケットでは著名なアート・モリソン(Art Morrison Enterprises)が製作。ブロンコのシャシーを元に設計されているが、マテリアルは最新のスチール素材を使用した特注のラダーフレームを採用している。

エンジンは最新のフォード製モジュラーエンジンからチョイスできる。

パワートレーンはフォード製コヨーテ(5.0リッター/302cu.in. V型8気筒DOHC4バルブエンジン)を標準搭載。フォードのモジュラーエンジンとしてマスタングGTからF150まで、幅広く使用されるこのエンジンは、車重約2トンのボディを誇るICON BRを最高出力426馬力で牽引する。

これに組み合わされるトランスミッションは、アイシンワーナー(AISIN AW)が製造するAX15型/5速MT。または、フォード製の4速ATである4R75Wを組み合わせるオプションプランも用意されている。

アメリカのカスタムビルダーだけに、こうした装備類はあくまでも標準的なチョイスとして示しているだけだ。予算が許す限りオーナーの好みに合わせてスペシャルオーダーができるのは、ICONもまた同様である。

CONTACT|ICON
WEB|https://www.icon4x4.com
PHOTO|ICON
TEXT|KAZUTOSHI AKIMOTO
PUBLISHED|2021
SOURCE|Cal Vol.39


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