セマショー 2025(SEMA SHOW 2025)|究極のレストモッドが降臨! 現代に甦ったマスタング・マック1

アメリカン・マッスルの象徴的な存在である1969 年式フォード・マスタング・マック1。その名車が現代のクラフトマンシップと最新技術によって大胆に生まれ変わった。クラシカルな輪郭を保ちながらも、隅々まで作り込まれた1台“KINGPIN”。それは過去へのオマージュであり、同時に未来への挑戦でもある。

▲オリジナルの面影を残しながらも、すべてのパネルが見直された“KINGPIN”。拡幅されたフェンダーや延長されたホイールベースは、デザインと空力の両面で意味を持つ。精緻なメタルワークとカーボンの融合が、造形としての迫力と軽量化を同時に実現している。

緻密なメタルワークと優れたデザインから、毎年SEMAショーで注目を浴びる「Ringbrothers(リングブラザース)」は、今回も会期初日に1969年式フォード・マスタング・マック1をベースにした“KINGPIN”(キングピン)を発表して周囲を驚かせた。

ベース車両となったマスタング・マック1は、主にファストバック(当時はスポーツルーフと呼称)ボディをベースとし、専用のストライプやフードスクープ、スポイラー、デュアルエキゾーストなどを備えることで高性能を訴求したモデル。標準搭載の351cu.in.V8(5. 8リッター)をはじめ、390、428コブラジェットV8など、多彩なエンジンバリエーションで人気を博し、今もなお根強いファンに愛されている。

今回発表された“KINGPIN” は、延べ5500時間以上をかけて製作された車両で、シャシーにはRoadster Shop製FASTTRACK Stage IIIを使用。これに前後独立懸架式サスペンションとFox製コイルオーバーを組み合わせることで、スーパースポーツ並みの操縦安定性を実現している。

▲フォードの代表的なクレートモーター“Coyote”エンジンをベースに、スーパーチャージャーを組み合わせたパワートレーン。制御系から排気系まで全てが専用設計だ。

ボディはフロントで2インチ、リアで3.5インチワイド化され、ホイールベースも1.5インチ延長。加えて、一体型ロールケージやカーボン製リアディフューザー、リアクオーターパネルのベント処理など、機能と美観を両立した加工も特長のひとつだ。

注目のパワートレインにはWegner Motorsports製5.0リッターCoyote V8を搭載。これにWhipple(ウィップル)製スーパーチャージャーを組み合わせることで、最高出力800馬力以上を発生。クラシカルな外観からは想像できない、ハイパフォーマンスモデルとなっている。

▲インテリアも徹底して作り込まれている。クラシックな雰囲気を残しつつも、モダンな装備と質感を両立。3Dプリントや削り出しパーツが随所に使われ、目に映るすべてが一点物の美術品のような仕上がりだ。

ボディカラーはBASF製の特注カラー「Bootleg Black」で、トリムにはフォード純正の「Grabber Green」をアレンジした「Grab-Her Green」を使用。足元にはHRE製ヴィンテージシリーズ517にミシュランPilot Sport 4Sを組み合わせる。

Ringbrothersによると、この“KINGPIN”は、キアヌ・リーブスが主演を務めるアクション映画『ジョン・ウィック』において「ラスボスが乗るマスタングを作るなら、こんなクルマだろう」というテーマのもとで製作されたものだという。オリジナルデザインをリスペクトしながらも、モダンなテクノロジーを組み合わせることで完成された、このクルマは、まさに“究極のレストモッド” だ。

▲シャシーはアメリカ・イリノイ州マンダラインに本拠を構えるRoadster Shop社製を用いる。同社が独自設計したシャシーは、ヴィンテージカーに現代的な操縦性と乗り心地をもたらすもので、あらゆる路面で高い安定性と俊敏性を誇る。サスペンションは前後共に独立懸架と専用コイルオーバーによって、重量級ボディを確実にコントロール。

▲インストルメントパネルにはダコタデジタル製メーターを採用。空調はお馴染みのヴィンテージエア製。ステアリングはRingbrothers製ENYOカーボンステアリングを使用する。トランスミッションにはBowler Transmissions製カーボンエディション6速MTを採用。

【セマショー2025記事一覧】
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PHOTO|Ringbrothers
TEXT|Kazutoshi AKimoto 秋元一利
PUBLISHED|2025
SOURCE|Cal Vol.67

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