セマショー 2026(SEMA SHOW 2026)|Ringbrothersが最新作を発表 650馬力のGTO“BILLIE”降臨!

クラシックカーの美しさを、現代の技術でどこまで高められるのか。Ringbrothersのクルマづくりには、単なる復元や性能向上では語れない奥深さがある。オリジナルへの敬意を忘れず、デザインや素材、細部の仕上げに至るまで独自の解釈を加える。その卓越した技術と美意識が凝縮された最新作が「ビリー(BILLIE)」だ。

1965年式ポンティアックGTOの姿を借りながら、中身は現代の高性能マシン。Ringbrothersが2026年のSEMAショーで発表した「ビリー(BILLIE)」は、そんな新旧の魅力を一台に詰め込んだレストモッドだ。

製作には5500時間以上を費やしたという。だが、このクルマの出発点は速さでも派手さでもない。家族の記憶にある。

オーナーの母親は、かつて贈り物として受け取ったGTOを所有していたそうだ。「思い出の一台を現代によみがえらせたい!」、その願いから計画は始まったという。
ただし、今回のベース車両はGTOではなく、1965年式のポンティアック・テンペスト・コンバーチブル。テンペストはポンティアックの中型乗用車で、GTOはその系統から生まれた高性能モデルとなる。

そのテンペストをベースにしながら、Ringbrothersはボディ全体を5インチ(約12.7cm)拡幅。フロントフェンダーやリアクォーターを作り直し、ロッカーパネルも延長。カーボンファイバー製ボンネットには大型化したスクープを設け、前後のバンパーやテールランプ周辺も専用設計とした。大がかりな変更にもかかわらず、ひと目で往年のポンティアックだと分かる。その完成度は、細部の積み重ねにも表れている。

パワートレインは、Wegner Motorsports製のスーパーチャージャー付き6.2リッターLT4型V8。公表出力は650馬力で、Bowler Performance製10速ATと組み合わされる。足まわりにはRoadster ShopのシャシーとFOX製コイルオーバーを採用し、前後にBrembo製6ピストンブレーキを装着。HRE製ホイールは前19インチ、後20インチの異径サイズだ。

室内にもRingbrothersの手仕事の跡が見られる。ダッシュボードは位置を見直し、革張りの仕上げとデジタルゲージを組み合わせた。純正ラジオの外観を生かしながらBluetoothにも対応。さらに、エスプレッソメーカーの持ち手を思わせるオリーブ材のシフトノブが、硬派なメカニズムに遊び心を添える。オリジナルを残す部分と、思い切って作り直す部分。その線引きが「ビリー」の個性になっている。速さを手に入れただけではない。このクルマには、家族の思い出も、しっかりと再現されている。


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PHOTO|Ringbrothers
TEXT|Kazutoshi AKimoto 秋元一利
PUBLISHED|2026
SOURCE|Cal Vol.73
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