セマショー 2024(SEMA SHOW 2024)|リングブラザース・ビュイック・グランドナショナル

「INVADR」は、アメリカのカスタムビルダーRingbrothersが製作した1987年式ビュイック・グランドナショナルのカスタムモデル。クラシックなデザインと現代のパフォーマンスが融合したこのクルマは、製作にあたり4,900時間もの時間が費やされたもので、細部にわたってRingbrothersのこだわりが詰め込まれた一台となっている。

パワフルなエンジンや特製のシャシー、高性能なサスペンションなど、圧倒的な走行性能を誇るものだ。

エンジンにはDuttweiler Performance製のツインターボ3.8リットルV6が搭載されており、その最大出力はなんと「1,246馬力!」。最大トルクも1,000 lb-ftを発揮するという凄まじいものだ。

ターボチャージャーにはPrecisionのGEN2 62mmツインターボを採用し、シリンダーヘッドはTwisted 6 Racingが手作業でポート加工を施した特注アルミヘッドを使用している。

クランクシャフトはBryant Racing製のビレット(削り出し)仕様、さらにラジエーターはDeWitts製のハイパフォーマンス仕様と、冷却性能も強化済みだ。

トランスミッションはお馴染みのTREMEC製T-56 Magnum6速マニュアルトランスミッションを搭載しており、ダイナミックなシフト操作が可能となっている。

シャシーにはRoadster Shop製のFAST TRACK Stage IIIを採用。58.75インチのトレッド幅と4リンクのリアサスペンションで優れた走行安定性を実現している。

足まわりはショックアブソーバーにPenske製3ウェイ調整可能タイプ、フロントのアンチスェイバー(スタビライザー)にはC7コルベットのエンドリンクを備えた1.25インチのスプライン型。

Duco Performance製のエアジャッキシステムも搭載され、サーキットでのスムーズなタイヤ交換をサポートする。

ブレーキはBrembo製のC6 ZR1用キャリパーを採用。フロントには6ピストンキャリパーに394×36mmのカーボンセラミックローターの組み合わせ。リアには4ピストンキャリパーと380×32mmローターが装着され、制動力もしっかりと強化されている。

タイヤはMichelin Pilot Sport Cup 2を使用、ホイールはHRE Wheelsの528スリーピースデザインでフロントが19×10.5インチ、リアが20×13インチだ。

エクステリアも細部までカスタマイズされており、BASF Glasuritのウォーターボーンペイント「Dark Vader Gray」でペイント。

フロントフェンダーやバンパーはオリジナルの形状を維持しつつもリデザインされ、エアロダイナミクスの向上が図られている。


さらにカーボンファイバーのデッキリッドスポイラーやカスタムバンパーなど、多くの部品が一から設計され、機能性とデザイン性が両立したエクステリアになっている。

インテリアはUpholstery UnlimitedのSteve Pearsonによって一新されたもので、Dakota DigitalのカスタムインストルメントやRingbrothers製のプロトタイプステアリングホイールを採用。エアコンはVintage AirのGen IV Magnum Evaporator Kitをインストールし、快適な室内空間も実現している。

この「INVADR」は、クラシックなビュイックの魅力を残しながら、現代のハイパフォーマンス車に求められる技術と美しさを備えた究極のカスタムカーといえるだろう。

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https://calog.net/archives/tag/sema-show-2024

TEXT|Kazutoshi AKimoto 秋元一利


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