リモートワークの拠点としても活躍する,漆喰壁が特徴的な木造の小さなゲストハウス

小屋|TINY HOUSE

窓を開ければいつでも波の音が聞こえてくる、海沿いの別荘地に建てられたログハウスを母屋にするS邸。手入れの行き届いた美しい芝生の庭に建築されているのは、漆喰壁が特徴的な木造の小さなゲストハウスだ。コロナ禍においては、ご主人がリモートワークの拠点としても活用しているという、快適なプライベート空間を訪ねた。

koya|小屋|TINY HOUSE

▲手入れの届いた芝生の庭に建築された「パティーナ」製の木造小屋。内装はSさんご夫妻が楽しみながら仕上げたDIYだ。想像以上に明るい室内。カフェカーテンに清潔なベッド、真っ白い腰壁など、ちょっとしたコテージのようだ。

九州北西部に広がる、世界でも有数の好漁場・玄界灘に面した海沿いの別荘地。徒歩数十秒の場所には、夏になると数多くの海水浴客で賑わうというビーチもある。打ち寄せる波の音が絶え間なく聞こえる、そんな絶好の環境に建つのが福岡県宗像市に建つSさんご一家の住まいだ。

もともと宗像の市街地に住んでいたという一家が、現在の場所へ移り住んできたのは3年ほど前。200坪を誇る土地には、30年前に建築したというログハウスが建っており、そのリフォームをきっかけにこの地へ移り住んだという。

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▲天井の一部にはロフトを設け、荷物などの収納スペースに充てている。

ところが、昔ながらのログハウスのため、リフォームしても間取りだけはどうにもならなかった。海沿いの別荘地というロケーションもあり、夏は多くの友人たちも遊びに来る。そこで思いついたのが、広々とした庭に小屋を建築するというアイデアだった。幸い、同じ市内に小屋を専門とする「パティーナ」があり、早速建築を依頼したそうだ。

海辺の土地ということから敷地は表層面が砂地。砂が舞い上がらないように、ご夫婦で丁寧に芝生を植えて美しい庭を維持している。その庭の一角にあるのが、床面積9.6 平米(約5.8 帖)というゲストハウスとしてはちょうどいい大きさの小屋だ。

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▲漆喰壁に木製のアンティークな窓を組み合わせた小屋。アルミサッシの性能には敵わないが、気候が温暖な宗像市では冷暖房が完備していることもあり、冬でも快適に過ごせるそうだ。

小屋はわずかに傾斜する土地に、50cmほど高さを上げたウッドデッキを施工し、その上に2×4工法で建築された躯体を組み上げている。切り妻の屋根にはアスファルトシングルを組み合わせ、壁は漆喰仕上げの塗り壁に。3方の壁には木製の窓枠をはめて、明るい雰囲気の小屋として完成させた。

「パティーナ」が施工したのはここまでで、内部はSさんご夫妻が楽しみながら自分たちでDIY。外観と色合いを合わせたまっ白な腰板を張り、棚を作り、使わない時は邪魔にならないように可倒式のテーブルを造作して、お気に入りのアンティークで飾った。

2019年に完成したという小屋は、目論見通りゲストハウスとして友人たちの滞在時に活用されている。さらにコロナ禍においては、ご主人がリモートワークの拠点として利用することも多くなったそうだ。もっとも「仕事にはちょっと向かないかも(笑)」とご主人。室内は冷暖房完備。さらにいつでもゴロッと寝転がれるベッドもある。あまりにも快適な空間から、ついつい誘惑に負けそうになってしまうからだ。

CONTACT|Patina
WEB|https://ameblo.jp/garden-pa-2012/
PHOTO|KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT|KAZUTOSHI AKIMOTO
PUBLISHED|2021
SOURCE|小屋 ちいさな家の豊かな暮らし Vol.4
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