ハワイの伝統的な建築様式を残す、プランテーションハウスの暮らし|Ewa beach,Oahu

ハワイの伝統的な建築様式を残す、プランテーションハウスの暮らし|Ewa beach,Oahu

ミユキさん夫妻は日本で結婚、15年間日本で暮らした後にハワイへ移住。日本で看護師として働いていたミユキさんは、移住後“疲れた人を癒してあげたい”という思いからマッサージセラピストの資格を取り、現在自宅で「Malino Massage」を主宰する。

ハワイの伝統的な建築様式を残す、プランテーションハウスの暮らし|Ewa beach,Oahu

外観は典型的なプランテーションハウス。玄関にはマッサージセラピストとして活躍するMalino Massageの看板も。

ハワイに移住した日本人にはオアフ島南東部のハワイカイやカハラが人気だ。ワイキキやダウンタウンにも近く、観光業で働くにはアクセスが良く便利な場所だからだ。ところが、日本から移住したミユキさん夫妻が選んだのは、ワイキキとは対岸にあたるローカルの多いエヴァビーチだった(Ewa Beach)。

じつは家探しをしている時、様々なエリアを見て回ったという夫妻。どの物件もピンと来なかったそうだが、この家だけは違った。歴史を感じさせる家はもちろん、庭にあるマンゴーの木にも魅せられたと話す。

ハワイの伝統的な建築様式を残す、プランテーションハウスの暮らし|Ewa beach,Oahu

ファニチャー類はハワイのモダンな家具ショップ「HomeWorld」で揃えたもの。

ミユキさん夫妻が購入したその一軒家はいわゆるプランテーションハウス。かつて主要産業がさとうきびだった時代に、畑で働く移民のために作られたもので、今でもハワイには当時の伝統的な建築様式の家がいくつも残されている。

多くは木造の平屋造で風通しの良い高床式を採用する。このため玄関の前には数段の階段が設けられ、玄関を含む家のフロントにはカバードポーチやラナイが備えられることも多い。夫妻の家はビーチも目前だ。徒歩1〜2 分の距離には美しい海があり、1年を通して涼やかな風が家の中を通り抜ける。

ハワイの伝統的な建築様式を残す、プランテーションハウスの暮らし|Ewa beach,Oahu

マスターベッドルームにあるベッドやサイドテーブル、チェストなどは日本で使っていたものをハワイに運んだ。

間取りは3ベッドルーム。どの部屋からも庭を眺めることができ、木の枝に留まる鳥のさえずりを間近で聞くことができる。

引越し後は元々大工仕事が好きな夫と一緒に、ミユキさんの好きな色で室内をリペイントするなど、好みの内装に少しずつリフォームしていった。ゲストルームには義母が使っていたミッドセンチュリーの家具やベッドも設置している。最近は修学旅行生などの短期間のホームステイ客を預かることもあり、ハワイの伝統的な家や古い家具に囲まれたインテリアはとても喜ばれるという。

ハワイの伝統的な建築様式を残す、プランテーションハウスの暮らし|Ewa beach,Oahu

ゲストルームのベッドはマッサージセラピストであるミユキさんの仕事場も兼ねる。

室内を通り抜ける風を取り込むために、いつもドアや窓は開けてある。手入れの行き届いた庭にはテーブルとチェア。好きな時に好きなだけ庭でくつろぐ。まるで家の中と外の境目がないような家。エヴァビーチが夕陽に染まるころ、その庭を通り抜ける風は一段と涼しくなっていった。

PHOTO|KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT|SHINOGU SATO
PUBLISHED|2020
SOURCE|Cal vol.32

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