快適性を大幅に向上させた デイリーユースも可能な「1302」|1972 フォルクスワーゲン・タイプ 1・1302セダン

1972 フォルクスワーゲン・タイプ 1・1302セダン

長い歴史を誇る空冷フォルクスワーゲンの中から、日々の暮らしを支えるデイリーユースな1台を選ぶのであれば、やはり高年式モデルをチョイスするのが賢い選択といえるだろう。特に空冷フォルクスワーゲンに初めて乗るようなオーナーなら、クラシカルなデザインはそのままに、モダンな快適装備を備えた高年式モデルからスタートするのが望ましい。高価でよりコレクタブルなヴィンテージモデルは、空冷フォルクスワーゲンの魅力にすっかり魅了されたあと、先々の楽しみのひとつとして考えても決して遅くはないはずだ。

1972 フォルクスワーゲン・タイプ 1・1302セダン1970年に発表された1302は、“ビートル”ことタイプ1の中でも最上級モデルという位置づけとして誕生した。このため、それ以前のモデルと比較して各部が大幅にアップデートされているのが特徴となっており、まさに高年式モデルの代表格ともいえる存在だ。

フロントはマクファーソンストラット式、リアにはトレーリングアーム式の独立縣架が採用されるなど、サスペンションも抜本的に改善され、乗り心地や快適性が大幅に向上しているのも特徴のひとつ。

フロントのデザインも変更されており、ボンネットが膨らみ、フロントのトランクルームを拡大、積載性も大きく改善されている。

1972 フォルクスワーゲン・タイプ 1・1302セダン

搭載されるエンジンはハイパワーな1300cc、または1600ccの共にデュアルポート水平対向4気筒エンジンが用意されていた。気をつけたいのは、フォルクスワーゲン社はこの1302 と並行して1200ccエンジンを搭載した従来モデル(トーションバーサスペンション車)も継続生産していたということだ。

このため単純に年式だけではモデルの判別ができない。もちろん、タイプ1オーナーなら一目瞭然だが、判断がつかない場合はモデル名に1302 が付加されていること。実車が目の前にあればエンジンフードに取り付けられた1302 のエンブレムから判断することもできる。

ここで紹介する車両は、その1302の中でもヤナセによって正規輸入販売された1972年モデルである。

1972 フォルクスワーゲン・タイプ 1・1302セダン

ボディはフォルクスワーゲン純正色のマリーナブルー(L-54D)でペイントされ、艶やかで鮮やかな色合いが再現されているのも大きな特徴だ。

インテリアもヤレやすいシートカバーやヘッドライナーなどは純正スタイルで張り替え済み。さらにドアパネルはフォルクスワーゲン純正(オリジナル)がそのまま残されているなど、ディテールまでしっかりと仕上げられた1台である。

エンジンはハイパワーなデュアルポート1300cc エンジンを搭載。さらに「FLAT4」によりピストンやシリンダーなどを中心に新品パーツを組み込み、オーバーホールが施されている。

高年式モデルである上、しっかり整備された個体は、定期的なオイル交換など、メンテナンスさえ欠かさなければ、きっと長く快適に使用できる、デイリードライブも可能な愛車となるはずだ。

CONTACT|FLAT4
WEB|https://www.flat4.co.jp
PHOTO|KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT|KAZUTOSHI AKIMOTO
PUBLISHED|2021
SOURCE|Cal Vol.40


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