チョップドトップ&ワイドボディ|1970 フォルクスワーゲン・タイプ 1・セダン

VW C LUB O F H AWAII

ハワイの空冷VWオーナーたちをまとめるリーダー的な存在ともいえるゴードン。彼の愛車はどこにいてもよく目立つ、真っ赤なチョップドトップのワイドボディだ。カリフォルニアで仕上げたという愛車は、ハワイでも有名な1台であり、撮影中もあちこちから声がかかる。

ハワイでもカーカスタムは盛んだ。オリジナルに忠実なヴィンテージVWも人気が高いが、オーナーの趣味や趣向が如実に現れた個性あふれるカスタムモデルは、観光客はもちろん地元の人々の目も惹く。もっとも、“ハワイスタイル”と呼ぶような明確な方向性はなく、カリフォルニアを筆頭にしたメインランドのVWカスタムを倣った車両が多いようだ。ハワイには空冷VWを専門にカスタムするショップは少なく、パーツの入手はやはりメインランドに頼らざるをえないという事情もあるのだろう。

VW C LUB O F H AWAIIオアフ島に限らず多数のメンバーを抱える「VW CLUBOF HAWAII」の中心的なボードメンバーとしてクラブをまとめるゴードンの愛車も、やはりカリフォルニア製だ。

1970年式の愛車は50年前のヴィンテージカーとはいえども、空冷VWの世界ではモダンな部類に入るレイトモデル。カスタムするには打ってつけの個体だった。

VW C LUB O F H AWAIIポルシェ純正色のガードレッドでリペイントされた車両は、2007年にカリフォルニアで購入・製作された。ファイバー製のワイドボディキットや3インチのチョップドトップなど、メタルワークも駆使して仕上げた上で、カリフォルニアからハワイへ輸送。現在でも製作当時のコンディションを保った、美しい内外装を誇っている。

VW C LUB O F H AWAIIエンジンももちろんアップデート済みだ。1970年モデルでは、オリジナルでも57馬力を誇る1600ccエンジンが搭載されるが、ゴードンの愛車はジーンバーグ製のクランクシャフトやマーレー製の92mmピストンなどを組み合わせて2020ccまでスープアップ。48IDAウエーバー製キャブレターを組み合わせ、推定150馬力というハイパワーな1台に仕上げている。

VW C LUB O F H AWAIIホノルルのファリントン高校を卒業し、現在はソーシャルワーカーを務めるゴードンは、この1970年モデルの他にも2台の空冷VWを所有。週末はカーショーやクルーズナイトなどに参加するが、大半はこの70年モデルを走らせるそうだ。加えてクラブを取りまとめることから友人・知人も多い。このためチョップドトップのカスタムモデルは遠くからでもよく目立ち、目印になる愛車の周りには撮影中もひっきりなしに人が集まってくる。

VW C LUB O F H AWAIIそんな彼に空冷VWの魅力を尋ねると、「古いメカニズムだから修理やメンテナンスを自分で楽しめる。それを子供たちにも教えてあげられる所もいいよね」と答えてくれた。彼のチョップドトップは、愛息子に譲るつもりなんだという。

CONTACT|VW CLUB OF HAWAII
WEB|https://www.vwclubofhawaii.com
PHOTO|KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT|SHINOGU SATO
PUBLISHED|2021
SOURCE|VOLKS WAGEN LIFE STYLE BOOK Vol.7


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