絵を描きながらのカフェ経営、コロナにも負けない新作戦が「カフェバス」

フォルクスワーゲン・タイプ2をベースに、移動式のコーヒースタンドを経営するツイヒジさん。新型コロナウイルス感染症により、群馬県太田市で経営するカフェも大きな影響を受けてきた。1972年型のタイプ2でタートした移動販売は、ツイヒジさんの新しいチャレンジだ。

新型コロナウイルス感染症の蔓延により、大きな打撃を受けた飲食業。テレビや新聞などでも報じられているように、営業時間の短縮や自粛など、飲食業界は厳しい状況に置かれてきた。ケータリングサービスなどの移動販売もまた、出店イベントの中止や延期などが相次ぎ、営業機会を損失する状況が続いた。

群馬県太田市で「カフェ・シャンブル・ドット」を経営するツイヒジさんもまた、市内で経営するアトリエを兼ねたカフェの運営に支障をきたしていた。一方で、天性の明るい性格からそんな逆境下にあっても、前へ進むことを諦めなかった。

フランス版の民宿、またはゲストハウスともいえるシャンブル・ドットを店名にしたカフェは、コーヒーはもちろんガレットなどのフードメニューも充実しており、2012年のオープン以来、順調に客足を伸ばしてきたが、コロナの影響を受けて営業を続けることが難しい状況になっていたそうだ。

そこで、かねてからワーゲンバスに興味のあったツイヒジさんは一念発起、1972年型のタイプ2を購入して、カフェの移動販売をスタートしたのである。

ベース車両はもともと移動販売で使用されていた個体だったが、より一層使い勝手をよくするために自作で内装をカスタマイズ。ハンドメイドの看板もこしらえて、今春からカフェの移動販売をスタートさせた。

スライドドアを開けると、手作りのコーヒースタンドが完成する。木とタイルを組み合わせた空間がとてもスタイリッシュに映る。[/caption]もちろん、冒頭でお伝えした様にイベントなどの延期や中止も重なり、思うように出店することができないとはいうが、それでもコロナが収束したら自由に動ける新しい拠点に期待を寄せている。今はカフェの宣伝にもなるようにと、毎週土曜日は「カフェ・シャンブル・ドット」の店先で営業中だ。駐車場にタイプ2を停めてコーヒースタンドをオープンさせると、ふらっと寄っていく人も多いというから、タイプ2を手に入れた成果はすでに表れている。

じつは本業はアーティスト。窓ガラスや照明器具、クルマなどをキャンバスに見立てて描く作品は、“ちょっぴりダーク”なテイストが特徴だ。

アーティストとして、そしてバリスタとして。ひとりで2足のわらじを履きながら、ツイヒジさんはタイプ2のステアリングを握り、出店先の開拓に奔走する。太田・伊勢崎周辺で「カフェ・シャンブル・ドット」が活躍できる場所があれば、ぜひインスタグラムのDMからコンタクトしてみてほしい。笑顔にあふれるツイヒジさんが、かわいいワーゲンバスでやってくるはずだ。

CONTACT_Country Town & Co.
WEB_https://www.country-town.com/
SPECIAL THANKS_カフェ・シャンブルドット
ING_https://www.instagram.com/chambre_dhotes_2012/
PHOTO|KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT|KAZUTOSHI AKIMOTO
PUBLISHED|2021
SOURCE|Cal Vol.43


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