Garage Supply and Examples vol.05(ガレージ・サプライ・アンド・エグザンプルズ)|“時を重ねた美”が息づく 至極のヴィンテージ・ガレージ
- 2025/11/21
- LIFE
- OLD THEATER, OLE MOUNTAIN, オールドマウンテン

島根県出雲市にオープンしたJazz 喫茶「OLD THEATER」の一角に、オーナーの美学が凝縮されたプライベートガレージがある。そこは、時を重ねたヴィンテージカーとハーレーが並ぶ“もうひとつのシアター(劇場)”。金属の艶、革の香り、そして積み重ねた年月までもが美しく調和するその空間は、単なるコレクションではなく、“こだわり” という名の哲学が形になった場所である。

▲バイクはすべてヴィンテージのハーレー・ダビッドソン。写真手前にあるのは1946年式のWLをベースに「ZERO ENGINEERING(セロエンジニアリング)」が製作した「OLD GOLD」だ。
築70年の旧映画館をリノベーションし、音と空間、記憶と体験が交差する唯一無二の場として誕生したJazz喫茶「OLD THEATER」。その館内の一角に、オーナーの辻ノ内実さんが私的な時間を過ごすために設えたプライベートガレージがある。建物の北西側に位置するその空間は、木造倉庫の中に重量鉄骨の櫓を組んで生み出したもので、重厚なバーンドアがその入口を飾る。
ガレージ内には、辻ノ内さんが長年にわたり情熱を注いできたヴィンテージカーやバイクが格納されており、車体を取り囲むように時を重ねてきたアンティークが並んでいる。

▲1947年式ハーレー・ダビッドソンFLは、知人のSEITAさんの手で組まれた個体を、横浜の「VALLEY AUTO(バレーオート)」がエイジングやカスタムを施したもの。フェンダーには1930年代のUL用を採用した、ボバースタイルの1台だ。
バイクやクルマはどれもセンターピースとして相応しいものばかりだが、中でも横浜の「VALLEY AUTO」が製作した1932年式フォード・モデルB“GOLD SNAKE”は特別な存在だ。そして、伝統的なハイボーイスタイルを継承したその珠玉の一台と、肩を並べるように停められた1946年式ハーレーダビッドソンWLもまた、誰もが目を引く。 “OLD GOLD”と名付けられたこの車両は、元ZERO ENGINEERINGの木村氏が製作したもの。“GOLD SNAKE”“OLD GOLD”の2台は、共に2024年の横浜ホットロッドカスタムショーでデビューし、大きな話題を呼んだ。
ガレージの中は辻ノ内さんの美意識と哲学が色濃く投影されている。数々のアンティークが、まるで一世紀も前からここに存在していたかのように、ごく自然な形で置かれている。

▲1932年式フォード・モデルB“GOLD SNAKE” もガレージにしっかりと収まっている。この車両も「VALLEY AUTO」が製作したもので、トラディショナルなハイボーイスタイルが特長的なホットロッドだ。
このガレージは単なる保管場所ではない。「本当に良いものは、時を経てもなお輝きを失わない」というオーナーの思想が凝縮された空間だ。静けさの中に、確かな美と熱量が宿る、まさに“時を重ねた美”の集積地である。
2025年12月1日発売の「Garage Supply and Examples vol.05(ガレージ・サプライ・アンド・エグザンプルズ)」では、こうしたガレージ実例が20件以上収録されている。
OWNER|Minoru Tsujinouchi [OLD MOUNTAIN]
出雲市出身の空間演出家であり、アウトドアギアブランド「OLD MOUNTAIN」のファウンダー。幼少期から“古き良きもの” への憧れを原点にものづくりを続けてきた。2017 年に出雲でブランドを立ち上げ、アウトドア用品から音響機器、アパレルに至るまで独自の感性で作品を生み出し、多くのファンを魅了している。そして2025年夏、築70 年の旧映画館をリノベーションした新たな空間「OLD THEATER」をオープンさせた。

▲Jazz喫茶「OLD THEATER」の北西側が、オーナーである辻ノ内さんのプライベートガレージ。ガレージの扉は大型のバーンドアを採用する。

▲ガレージに設置されたアンティークの照明付きデスク。蛍光灯を何本も点灯できるように設計されたものが、作業用に使用されている。

▲音と空間、記憶と体験が交差する唯一無二の場として誕生した「OLD THEATER」。オーナーの辻ノ内実さんが手がけた全24席のJazz喫茶は、真鍮や煉瓦、オーク材など、厳選されたこだわりの素材で構成され、往時の映画館の息づかいを現代に甦らせている。併設のショールーム「OLD MOUNTAIN IZUMO GALLERY」では、辻ノ内さんの哲学が宿るギアやアパレルも並び、出雲の地から“時を纏う美”を発信している。
Address_島根県出雲市平田町2233-13
Open_12:00〜18:00 / 19:00〜22:00(金・土・日・祝前日)
Close_火曜日・水曜日
PHOTO and TEXT|Kazutoshi AKimoto 秋元一利
PUBLISHED|2025
SOURCE|Garage Supply and Examples vol.05
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