1999年に製作されたレストモッド「FJ45ワゴン」が再来!

セマショー 2023|SEMA SHOW 2023

1967年型FJ45ランドクルーザーワゴンをカスタマイズしたレトロクルーザー・コンセプトは、もともと1999年に製作された車両で、フレームを10インチほどストレッチして100系ランドクルーザー用V8エンジンを搭載したレストモッド(Resto-Mod)。2023年のセマショーにおいて、トヨタ自動車のブースに出店され、大きな注目を浴びた一台だ。

TOYOTA Retro Cruiser CONCEPT|トヨタ・レトロクルーーザー・コンセプト

▲スキッドプレートを備えたフロント周り。ボディ下は100系のコンポーネントを使用している。

トヨタ自動車が新型ランドクルーザーが2024年に北米市場へ再投入されるのを記念し、過去に製作されたランドクルーザー・カスタムのひとつ、1967年型FJ45ランドクルーザーワゴンをベースにした「レトロクルーザー」を2023年のセマショーへ展示した。

レストア+モディファイを組み合わせたレストモッド

「レトロクルーザー」は、1999年にトヨタ自動車販売の上級マネージャーと米モータースポーツ界のレジェンドであるロッド・ミレン(Rodney K.”Rod” Millen)の発案から生まれたもので、同年2月のシカゴ・オートショーでデビューを飾ったクルマ。ヴィンテージカーのボディの下に最新モデルのパワートレーンや快適装備を備えたレストア+モディファイを組み合わせたレストモッドである。

ボディは1967年のFJスタイルだが、ベースは2000年代初頭の100シリーズ系からの流用で、フレームを10インチ伸ばしてボディを架装している。

当初はFJ40のボディを搭載することも検討されたというが、ホイールベースが短すぎるために断念。代わりにFJ45が検討され、「オンボロ」のドナーカーを当時5000ドルでロッド・ミレン自身が調達してきたという。

製作チークはそのボディに徹底的なメタルワークを加え、モダンにアップデートされたボディを仕上げ、これにランドクルーザー100系の現代的なパワートレーンを組み合わせている。

エンジンは最高出力230馬力の4.7L・32バルブDOHC・V8を搭載。これに4速オートマチック・トランスミッションを組み合わせ、トランスファーケース、ロッキングディファレンシャルなども100系のものが装備された。排気系はボーラ(Borla)製ステンレス・エキゾーストシステムだ。

TOYOTA Retro Cruiser CONCEPT|トヨタ・レトロクルーーザー・コンセプト

▲FJ45ワゴンのボディにメタルワークとレストア、カスタムを加えて完成させたFJ45レトロクルーザー。

全剥離の上再塗装を施して美しいボディが再現!

サスペンション・システムにも大きく手を加えている。レトロクルーザーでは乗り心地を重視するためリアサスペンションはコイルオーバー・スプリング及びショックアブソーバーを備えた独立懸架式を採用。

フロントはトレッドを4インチ拡大し、ホイールトラベルを30%増加。同時に純正ディファレンシャルをナロー化し、オリジナルのブレーキとハブはそのまま12インチのトラベル量を実現している。

足元は35インチのゼネラルタイヤ製グラバーに特注の17インチ・ビレットホイールの組み合わせだ。

豪華なインテリアはコノリー(Connolly)レザーでアップグレード。電源アクセサリや衛星電話、ナビゲーションシステム、および15ガロンのタンク付きシンクも組み込まれてた。

トヨタはこのFJ45を復活させるため、劣化したアイテムやコンポーネントをすべて交換。パワートーンもすべて修復され、外装もリフレッシュ。一度、古い塗装被膜を剥離した上で、元色で再度塗装され、1999年にデビューした当時と同じ外観に復元した。

TOYOTA Retro Cruiser CONCEPT|トヨタ・レトロクルーーザー・コンセプト

▲インテリアはリフレッシュ済みのコノリーレザー。初期の製作が20世紀だったこともあり、時代を感じさせるインテリアではある。

TOYOTA Retro Cruiser CONCEPT|トヨタ・レトロクルーーザー・コンセプト

▲メカニカルコンポーネントは100系からの流用だ。

SPECIFICATIONS
BOOTH TOYOTA
MODEL TOYOTA RETRO CRUISER CONCEPT
ENGINE 4.7L・32バルブDOHC・V8|230HP
TRANSMISSION 4 SPPED AUTOMATIC
TIRE 35inch General Tire
PRODUCTION TOYOTA

【出展車両などの詳細は以下のセマショー2023リンク集を参照ください】
https://calog.net/archives/tag/2023-sema-show

ABOUT SEMA SHOW|「セマショー」とは
「セマショー」は米国自動車用品工業会(Specialty Equipment Market Association=SEMA)が主催する世界最大級のアフターパーツトレードショー。毎年11月の第一週にラスベガスコンベンションセンター(LVCC)で開催されている。会場は屋内床面積だけでも約5.5万坪。幕張メッセ(約2.2万坪)の倍以上もある巨大なイベントである。

※本記事は出版物(本誌)よりも先に、Cal Online(https://calog.net)にてオンライン版の記事を先行公開した「デジタルファーストアーティクル」にて制作されたものです。

CONTACT|SEMA
WEB|https://www.semashow.com/
PHOTO|KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT|KAZUTOSHI AKIMOTO
PUBLISHED|2023
SOURCE|Cal Vol.55

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