通販でも買える(!?)モパー最強の1000馬力エンジンを搭載!

セマショー 2023|SEMA SHOW 2023

ウィスコンシン州スプリンググリーンを拠点とする著名なカスタムカービルダー「リングブラザース(RINGBROTHERS)」からは新作のダッジ・チャージャーなど3台が2023年のセマショーで初披露された。

セマショー 2023|SEMA SHOW 2023

▲リングブラザースの製作した1969年式ダッジ・チャージャー“タスク”。ペイントはBASF製塗料を使い、ブラックをベースにゴールドパートを組み合わせている。

リングブラザーズはジム&マイク・リングの兄弟が共同経営するカスタムビルドのスペシャルショップ。マッスルカーからイタリアン・スーパーカーまで意欲的な作品を作り続けている。

2023年は1969年式ダッジ・チャージャー、1965年式フォード・マスタング、1961年式ロールスロイス・シルヴァークラウドIIの3台をセマショーで発表。ここでは、まず1000馬力+を発するというダッジ・チャージャーから紹介していこう。

マッスルカー全盛期に人気を博したダッジ・チャージャー

ダッジ・チャージャーは1966年に、当時の米クライスラーがラインナップに加えた2ドア・ファストバッククーぺ。初代モデルは1966〜1967年の2年間だけ生産され、第2世代モデルも1968〜1970年までの3年間のみ生産されるなど、過熱化していったマッスルカーブームと共に短いサイクルで頻繁にアップデートを重ねてきたクルマだ。厳密にカウントすると、現行モデルは7世代目となるロングセラーでもある。

もっとも、2006年に登場した第6世代モデル以降は4ドアとなり、初期のコンセプトから軌道修正。アメリカではハイウェイパトロールなど、ポリスカーとして重宝されたクルマでもある。

SEMA 2023 RINGBROTHERS|セマショー2023 リングブラザース

▲リングブラザースが今回採用したヘルファンは、初めて1000馬力を超えたモパー最強のクレートモーターを搭載。1964年に登場した426HEMIは“エレファント”というニックネームが付けられていた。“ヘルファント”は、その正当な後継という意味からエレファントをもじってヘルファントと名付けられた。

“ポン乗せ”で1000馬力! 通販でも買える史上最強のクレートモーター

今回リングブラザースが製作した車両は、第2世代の1969年式をベースに、カーボンファイバー製コンポーネントに最新のシャシー、サスペンション、モパー最強の426cu.in.(7.0リッター)スーパーチャージドV8(1000馬力ヘルファント)を組み合わせたもので、ダッジ・チャージャー“タスク”と名付けられた。

なんと5000時間を超える時間を費やして完成したというから驚きだが、シャシーからメタルワークまで徹頭徹尾徹底したカスタマイズを経ており、見どころは満載。

最大のトピックスは前述した通りモパー最強のクレートエンジンであるヘルファント(Hellephant)を搭載していることで、排気量426cu.in.(7.0L)のスーパーチャージャー付きV8エンジンは、トレメック製T-56マグナム6速M/T、カーボンファイバー製ドライブシャフトを経由してリアタイヤへ1000馬力を伝達するという。

ちなみにクレートモーターとはCRATE=木箱に入ったエンジンという意味。アメリカではアフターマーケット用としてメーカーがエンジン単体を販売している。クライスラーのハイパフォーマンスパーツ部門のモパーが製作したクレートモーターは、純正装着エンジンに近い手軽なエンジンもあるが、メーカーによりあらかじめチューンナップされたエンジンもある。

ヘルファントはまさに後者の最高峰。初期モデルは2018年に100台限定で販売され、2日で完売。現在は第3ロットのリリースを控えており、部品番号はP5160184AC。興味があれば、ぜひ通信販売で購入を!

それにしても、ある意味、“ポン乗せ”で1000馬力を得られるという凄まじい通信販売。ちなみに価格は$29,995(邦貨換算で約450万円 ※送料別)。(注:実際のセッティングにはもちろん技術と経験が必要で、誰もが簡単に1000馬力のエンジンを換装できるものではない)。

SEMA 2023 RINGBROTHERS|セマショー2023 リングブラザース

▲細かな部分までメタルワークを駆使して制作された“タスク”。足元にはHRE製ホイールを装着している。

話を車両に戻そう。

この“タスク”はオリジナルを尊重した外観も必見だ。ディテールまでこまかなメタルワークを加えており、リングブラザーズの熟練した技術による繊細なメタルワークを確認できる。

もちろん、カーボンファイバーの周囲をビレット加工したクロームトリムで縁取ったフロントエンドなど、細かな部分まですべてハンドメイド。

一見すると純正のままのように見える前後のバンパーも、微妙に絞り込んで再形成、ボディ全体のシルエットに馴染む様に小型化されている。

アメリカのショーカーはシャシーから作る

シャシーはイリノイ州マンデレインに拠点を置くカスタムシャシーのスペシャリスト、ロードスターショップ(Roadster Shop)製で、これにFOX製RS SV コイルオーバーやベアー製の6ピストン・ディスクブレーキを組み合わせている。

ロードスターショップは、車両のシャシーワークを専門とするスペシャリスト。アメリカでは古いクルマのシャシーと基本的に同じレイアウトながらも、オーダーにより様々なカスタマイズを加えることができるカスタムシャシーが一般的。著名なショーカーのほとんどは、こうしたシャシーの設計からカスタムをスタートしている。ロードスターショップだけでなく、専業のスペシャリストとしてアート・モリソン(Art Morrison Enterprises)もまた著名な存在だ。

さて、こうして完成した1969年式ダッジ・チャージャー“タスク”は、一台のクルマをゼロから作り直す様な作業を経て完成されたというわけである。

その出来栄えからも、アメリカはもちろん、世界的にも評価の高いリングブラザースらしい一台といえるだろう。

SEMA 2023 RINGBROTHERS|セマショー2023 リングブラザース

▲内装はクラシックスタイルではあるが、装備類はすべてモダンにアップデート。コンソールはカーボンファイバー製とし、これにカスタムレザーインテリアを加えている。

SEMA 2023 RINGBROTHERS|セマショー2023 リングブラザース

▲カスタムカーボンファイバー製の「ピストルグリップ」シフターは、往年のモパーファンにとっては垂涎の的になるディテールといえるだろう。

SEMA 2023 RINGBROTHERS|セマショー2023 リングブラザース

▲デジタルバックミラー、ダコタデジタル製デジタルメーター、ヴィンテージエアー製空調システムなど、快適でモダンな装備を奢ったインテリア。

SPECIFICATIONS
BOOTH RINGBROTHERS
MODEL 1969 DODGE CHARGER “TUSK”
ENGINE DODGE HELLEPHANT 426 HIME
DESIGN GARY RAGLE DESIGN
PRODUCTION RINGBROTHERS

【出展車両などの詳細は以下のセマショー2023リンク集を参照ください】
https://calog.net/archives/tag/2023-sema-show

ABOUT SEMA SHOW|「セマショー」とは
「セマショー」は米国自動車用品工業会(Specialty Equipment Market Association=SEMA)が主催する世界最大級のアフターパーツトレードショー。毎年11月の第一週にラスベガスコンベンションセンター(LVCC)で開催されている。会場は屋内床面積だけでも約5.5万坪。幕張メッセ(約2.2万坪)の倍以上もある巨大なイベントである。

※本記事は出版物(本誌)よりも先に、Cal Online(https://calog.net)にてオンライン版の記事を先行公開した「デジタルファーストアーティクル」にて制作されたものです。

CONTACT|SEMA
WEB|https://www.semashow.com/
PHOTO|KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT|KAZUTOSHI AKIMOTO
PUBLISHED|2023
SOURCE|Cal Vol.55

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