ビンテージに住む|カリフォルニア・スタイルの住宅
- 2015/7/22
- LIFE
- California, カリフォルニア, ビンテージ, ビンテージ住宅
[Style,3]
1956 年に建てられたハリウッドのレトロハウス
彼方にロサンゼルス空港を見渡せるハリウッドの丘。夕暮れには離発着便の光を見ることができる。
かつては不幸な事件に見舞われた豪邸だが、半世紀にわたり同じオーナーによって大切に維持されてきた。完璧な保存状態を誇る、正真正銘のレトロハウスだ。
ファッション関係のロケ地としても有名
LAでは、ハリウッドからウエストハリウッドに南向きに建ち、ダウンタウンから太平洋近くのLAXまで見渡せる家をジェットライナービューと呼び、資産価値が高いことを意味する。ハリウッドの丘の上に立つこの家は、まさに眺望抜群の豪邸だ。
1956年に建築されたこの家の歴史もまた、興味深い。最初のオーナーは同性愛者の男性で、夜ごと賑やかなパーティーが開かれていたという。
ところが、1960年に海軍の水兵たちが集まって騒いでいる最中に、凄惨な殺人事件が起きてしまう。
もちろん、ゲイの館は事件以来、封印の憂き目となった。
その曰く付きのジェットライナービューを安価に購入したのが、現オーナー夫妻だ。ご主人は退役軍人、奥様は元モデル。子どもたちを育て上げ、53年にわたって快適に住み続けている。
なお、アメリカでは購入した金額に応じて税金額が決まるという。その意味でもご夫妻は恩恵を受けてきたことになる。
クラシックなインテリアは、フレンチリージェンシースタイルと呼ばれる様式。
デコラティブなヨーロッパ風のデザインがレトロ建築によく合っている。
驚くのは、家具のほとんどが半世紀前にそろえたままの状態ということだ。なんと壁紙も同様だという。
ドアのハンドルはじめ、金物、コンセントなどすべて建築当時のオリジナル。白を基調としたベッドルームはプールサイドにある。
多少のヤレは見て取れるが、それにしても住まいをいかに大切にしてきたかを実感できる。
近年は、ファッション誌やメーカーの撮影ロケ地としての依頼が多いそうだ。
ハリウッドの丘からの眺望と極上コンディションで維持されたインテリアがそろっていれば、それも納得だ。
プールサイドの向こうに見える丘はピエール・コーニッグのケーススタディNO.22 見えるのもまた素晴らしい。
SOURCE|Cal Magazine #02
TEXT|Cal Magazine
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