1972 BRITISH LEYLAND MINI VAN|Gunma, JPN

おなじみのMINIでありながらも、ん!? なんだか様子がちがうぞ。リアクオーターウィンドウがないパネルタイプだ。これは長きにわたり製造されてきた数々のMINIのバリエーションのひとつがこのバンである。荷物をすいすいと積み下ろしできる観音扉に、ルーフに積載したカナディアンカヌー。アウトドアライフとキャンプを楽しませてくれるバンの魅力。

淡いブルーグレーのカラーリングも愛らしいボディにマッチした、ちょっと長いミニ。よく街中でも見かけるクラシック・ミニのようではあるが、何かがちょっと違う!? 普段はこのログキャビンでの生活に不可欠なマキ集めに使っているバン。ちょうど、気持ちの良い季節。川遊びで出かけようと、荷物をまとめてみたのだが、リアドアは観音扉になっていて旅行カバンの積み込みも楽々だし、低いルーフだからこそ、ご覧の通り大きなカナディアンカヌーだって、簡単に積み込むことができる。荷物満載でのアウトドアは、大勢も楽しいが、ソロ紀行でも様になるのは、きっとこのバンの醸し出す抜群の雰囲気か。

ベースとなるサルーンボディのクラシック・ミニは我々にも、お馴染みのクルマであるが、これは1959年のデビューから41年間という長きにわたって製造されたなかでのバリエーションモデルのひとつとなる“バン”だ。

1956年のスエズ動乱による原油高騰により、オイルショックに陥った西ヨーロッパ諸国。中東に原油を依存していた英国も深刻な状況へと陥った。「より経済的な小型実用車を早急に開発して市場に広めよ」。BMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション)会長であるサー・レオナード・ロードの命題によりアレック・イシゴニスをリーダーとしたチームにより開発され、1959年にデビューした“BMC MINI”。その他、エステートボディや、セダン、ピックアップなどのバリエーションモデルが存在したクラシック・ミニのなかでも、とりわけ近年人気が上昇しているのが、このバンなのである。

商業車の悲しさか、本来は、さほど大切に扱われず、使用期間が終わると廃車にされたり、消費されるだけの“働くクルマ”なのだが、現車はそうした扱いは受けていなかったのかと思われるビシッとした佇まいだ。BMCとレイランド・グループが合併し、BL(ブリティッシュ・レイランド)時代の1972年に製造されたものだという。

エステートモデルと同様のシルエットであるが、リアクオーターウィドウが省略されているのは、英国での課税法によるもので、後ろ側面のガラスが無ければ、商用車という扱いとなり税金が安かったのだ。

一方、室内へと目を移すと、他のモデル同様、センターには視認性に優れたスピードメーターを配した簡素なコックピット。この個体は運転席側に、水温計や油圧計、電圧計などの装備が追加されているので、現代の交通事情にも安心して、出かけて行けそうだ。

【INFORMATION】
SHOP|MINIYA AI FRAGILE
ADD|群馬県前橋市富士見町小暮2444-8
OPEN|11:50 – 19:30(月-金)/ 10:00-19:30(土・日・祭日)
CLOSE|月曜日 / 第2火曜日 / 第3日曜日(祝祭日の場合は次の日)
WEB|http://www3.wind.ne.jp/miniya/
PHONE|03-3792-7151

PHOTO|KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT|JUNICHI OKUMURA
STYLING|KAZUNARI_HAYAKAWA
MODEL|MARK
LOCATION|COUNTRYTOWN&CO.
PUBLISHED|2017
SOURCE|ザ・ブリティッシュ・スタイル Vol.2


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