アウトロースタイルを追求するスペシャルショップ「エモリー・モータースポーツ」|North Hollywood,California

ポルシェ・356アウトローのパイオニア、「エモリー・モータースポーツ(Emory Motorsports)」は、アメリカではモーター誌のみならずForbesなどの一般誌でも取り上げられるほどの名声を得ている存在だ。ここでは設立からわずか20年を経て、数多くの信奉者を生み出し、今なお信者を増やしているポルシェ・356アウトローのエヴァンジェリストの魅力を徹底的に紹介しよう。

1996年、ロッド・エモリーは、妻のエイミーとともに「エモリー・モータースポーツ(Emory Motorsports)」を設立する。彼が目指したのは、どこにでもあるような356のレストアショップではなかった。当時誰も手掛けることがなく、そして現在でも独自のスタイルを貫き通す、唯一無二とも言える356、すなわちラリー・モデルにインスパイアされたポルシェ・356”アウトロー“を仕立て上げることだった。

もっとも、会社の設立以来、ロッドが手掛けた車両は21年間でたったの150台でしかない(356が120台、911や912等が30台)。現在でも年間12台作るのが精いっぱいだという生産性は、商売として考えれば、けっして立派な数字ではないだろう。それでも彼は356アウトローのパイオニアとして、世界中のポルシェ・ファンから尊敬の眼差しで見られている。それは、彼が作る356が、本当に誰も真似できない、独自のものだからである。

じつはロッドの祖父ニール・エモリーと、ロッドの父ゲイリー・エモリーは共にニューポート・ビーチでポルシェのスペシャリストとして知られた存在だった。このため、幼少期のロッドは彼の父や祖父から多大なる影響を受けて育った。10歳になると夏休みや放課後に父の作業を手伝い始め、ポルシェ・356をいじりはじめていたそうだ。同時にカーレースにも興味を示し、積極的に参戦。レーサーとしての体験も積んでいったという。

単にビルダーとして顧客のオーダーに応えるだけでなく、無謀なまでに理想のアウトローを追い求めるロッドの哲学は、この様に彼がレーサーであったということにも大きく関係している。彼のアウトローが他の追随を許さない完成度の高さにあるのは、ロッドがビルダーあると同時にレーサーでもあったからなのだ。単にスタイルだけではなく、本当に速く、そしてバランスが良く、高い操縦性を誇るクルマ、ロッドが目指しているのはそんな妥協を許さない1台なのだ。

【INFORMATION】
SHOP|EMORY MOTORSPORTS
WEB|https://www.emorymotorsports.com

PHOTO|DREW PHILLIPS
TEXT|KAZUTOSHI AKIMOTO
PUBLISHED|2017
SOURCE|Porsche Life Style Book


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