ハワイの伝統を紡ぐレイメーカーの住まい|Honolulu, Hawaii

古き良き時代のハワイにはきっとこんな雰囲気が満ち溢れていたのだろう。ワイキキからも程近い閑静な町、マノアにあるコロニアル・リバイバル様式の一戸建て。かつて祖父母が暮らしたその家で、祖母から受け継いだハワイの伝統を紡ぐレイメーカー。風が吹き抜ける広いラナイは、光に包まれ、ハワイの甘い香りが漂っていた。

オアフ島東岸に沿って広がるコオラウ山脈の南側、マノア滝から太平洋へと伸びる谷。ハワイ州立大学やオバマ前大統領の母校として知られるプナホウ・スクールがあり、ワイキキやアラモアナから北東へ約1.5kmの近距離。このマノア地区の一角にメレアナ・エステスの家はある。

乾季でも頻繁に降雨があり、虹が多く出る場所としても有名だ。 歴史的建造物として州の文化財に登録されるメレアナの家は、1931年から1938年までホノルル市長を務めたジョージ・フレッド・ライトが1926年に建てたもの。メレアナの祖父母は1951年にこの家を購入し、5人の子供を育てた。メレアナの母もそのひとりだ。

ホノルルに多くの住宅が建ち始めた頃のものであり、正面中央の玄関に対して左右対称のエクステリアを持つコロニアル・リバイバル様式。最大の特徴は家の北側と東側をぐるりと取り囲む広いラナイ。全面が窓に囲まれ、リビングやダイニングにつながる屋内のような作りになっている。

明るい光がたっぷりと降り注ぐこのラナイはメレアナの作業場でもある。ここでレイを作ったり、服のパターンを作る。

メレアナは幼い頃、ハワイ語でTutu(おばあちゃん)と呼ぶ祖母の傍に座り、祖母がレイを作る姿を見て育った。ニューヨークでファッションデザイナーとしてスキルを磨いた後、ハワイに戻り、現在4歳になるカイエアくんを出産。夫のウィルとともに3年前にこの祖母の家に移り住んだ。かつて祖母に教わったレイ作りを始めると、瞬く間に人気を博し、ハワイを代表するレイメーカーとして知られるようになった。

100年近い歴史を持つこの家は昔から誕生日のお祝いなどの家族イベントでみんなが集まる場所であったという。だから家のそこかしこにアロハのスピリットが満ち溢れている。それがメレアナのレイ作りを唯一無二のものにしているのだろう。

PHOTO|KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT|OSAMU HONMA
PUBLISHED|2017
SOURCE|Hawaii Interior Style Book Vol.1


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