電動化された、まったく新しい356ロードスターの楽しみかた


強烈な加速が味わえる
EVならではの走行性能

さて、現在生産を急いでいる第二世代に先立って開発された、第一世代のプロトタイプ『Eロードスター』に我々は試乗する機会に恵まれた。オリジナル同様、コンパクトなコクピットはではあるが、大柄な筆者でも意外と窮屈なく、ドライビングシートに滑り込める。

シートのスライドも十分で、やや寝そべるような姿勢なのはガソリン・モデルと同様だ。内装の意匠や品質も高く、いかにも『インターメカニカ』らしい仕上げだ。もっとも、エンジンを掛ける儀式は一切無い。キーシリンダーに差し込んだキーを回すと準備OK。次いでインパネにある切り替えスイッチをFWDに変更すれば、いつでも走り出せる。

恐る恐るアクセルを踏む込むと車体はのっそりと動きだす。やや重たいフィーリングのアクセルペダルに“ググっ”と、トルクのあるモーターの回転感覚、それはまさに電動のゴルフカートのような滑り出しだった。当然ながら排気音も無く走り出す感覚は、やはりガソリン・エンジン車とはまったく違う世界だ。

比較してはいけないと思いつつも、やはり心のどこかで比較する自分がいる。出だしの感覚は確かにガソリン・エンジン車の軽快感とは大きく異なる。しかしながら、速度が乗ってくるとその滑るような感覚がまた面白い。速度に比例する排気音は一切なく、風切音だけが響いている。左右に流れていく景観と速度に対する自分の感覚が一致しないのは、やはり排気音やメカニカルノイズがないからだろう。

確かにこの感覚はEVならではのものだ。目に入ってくる視覚情報はヴィンテージカーのままではあるが、聴覚や触覚で感じるものは従来のヴィンテージカーとはまったく違う。この感覚はヴィンテージカーを運転したことがある人には“つまらない“ものなのかもしれない。しかしながら、猛烈な加速とほとんど音のしないこの感覚は、新しい自動車趣味の世界のものとして、まったく違う世界の魅力を有する。

『Eロードスター』は新しい自動車趣味の扉を開ける1台と言えるのかも知れない。

SPEC
YEAR 2018
MODEL Intermeccanica E Roadster (pre production model)
MOTOR TYPE AC PROPULSION
MOTOR POWER 100kW(134/227HP※)※Turbo Mode
BUTTELEY CAPACITY 45kW/H
TRANSMISSION: 1-speed direct drive
RANGE 150mile(250km)
PRICE CAD142,400(完成車)

PHOTO & TEXT|Kazutoshi AKIMOTO
CONTACT|INTERMECCANICA TOKYO


ページ:
1 2 3

4

関連記事

ページ上部へ戻る